Bioshock(バイオショック)はアメリカのゲーム開発会社、2Kボストン/2Kオーストラリア(現、Irrational Games (イラショナル・ゲームズ))によって開発されたファーストパーソンシューティングゲーム形式のアクションロールプレイングゲーム。
脚本を担当したのは前身であるSystem Shock 2および後継作品BioShock Infiniteでゲームデザイナーを務めているケン・レヴィン。
バイオショックは2004年後半から開発が始まった。当時のイラショナル・ゲームズは独立系のゲーム会社だったが、2006年の1月9日、大手ゲーム会社のテイクツー・インタラクティブの傘下に入り会社名も2Kボストン/2Kオーストラリアに変更した(ただし2Kボストンは2010年に再度イラショナル・ゲームズに名前を戻している)。そして、2K Gamesブランドのゲームとして本作を「2007年の早い段階に発売しようと考えている」ことを公表した。[4]
開発者によってこのソフトはイラショナル・ゲームズが過去に開発し1999年に発売されたPC向けのSFものアクションRPGSystem Shock 2(システムショック2)の「実質的な続編」と言われた。[5]なお、ゲームエンジンには改造を施したUnreal Engine2.5を使用したことにより、高度なグラフィック(当時)を実現している。 先にPC版とXbox 360版が出され、後に新たな難易度や特殊能力、DLCを追加要素としているプレイステーション3版も発売された。
発売からしばらくはPC向けゲームダウンロード販売サービスSteamを利用したダウンロード購入が日本でも可能であったが、数ヵ月後にリージョン規制により購入不可となってしまった。体験版はその後もDL可能であったため、体験版のダウンロードページから『製品を購入する』のボタンを押しても別のページに飛ぶという奇妙な状態となっていた。しかし、発売元であるテイクツー・インタラクティブ日本法人の設立に伴い、それまで日本国内において販売権利を持っていた代理店の権利が消失したことからリージョン規制が解除され、再び日本からの購入が可能になった。
[編集] ゲームとしての特徴
アクションRPGならぬ"FPS・RPG"(若しくはFPSアドベンチャーゲーム)で、完全に一人用のゲームとして設計されている。
物語や演出、独特な背景設定を楽しむ事に主眼を置いている、広大な閉鎖空間を探索しながら謎を解き明かし自身を強化する、無数の音声メモが存在している(普通のRPGで町人に話しかけるのに相当)、銃だけではなく超能力を使用・装備して戦う、敵がランダムで復活する、倒した敵を調べると金やアイテムが入手できる、一部の敵には火や氷などの『属性』が存在する、金を使って弾薬や回復アイテムを購入、などのRPGのような特徴が数多く存在するが、これらのゲームとしての基礎設計はイラショナル・ゲームズが過去に手がけた作品『System Shock 2』から継承・改良されたものが多い。
バイオショック独自の要素としては、モノクロ映画『メトロポリス』を彷彿とさせるレトロで未来的な造型がそこかしこに見られ、60年代のアメリカ文化とオーバーテクノロジーが入り混じった海底都市ラプチャーの奇妙かつ独特な舞台設計や"お使い型のRPGであること"を巧みに利用した秀逸なシナリオと優れた演出手法、欧米のRPGの特徴でもある「道徳に従うか反するかを選べる"選択"」や2007年時点では最高峰と言えるグラフィックなどが挙げられる。
戦闘の面では、単純な射撃の技術だけではなく状況判断の適切さや、使用する武器・特殊能力の選択、そして地の利を考慮した戦略が重要視されているのも特長であり、豊富な武器と能力をプレイヤーの意思で組み合わせて戦う事の出来る自由度の高さもまた魅力となっている。
さらに、ゲームレビューサイトIGNの"ここ数年で最も怖いゲーム"の第8位に輝いた。
2010年、続編となるBioshock2が発売された。2012年には後継作品BioShock Infiniteも発売される予定である。
われわれの世界とは分岐した実際には起こらなかった歴史を歩んだもう一つの1960年が舞台。飛行機事故で偶然生き残ったジャック(Jack)が、海底に築かれディストピアと化した都市、ラプチャー(Rapture)を探検し過去を明らかにしていく。
[編集] ストーリー
1946年11月5日、科学者アンドリュー・ライアンは大西洋中央に海底火山を原動力として完全に自立する水中都市を建設し、"携挙"を意味する「ラプチャー(Rapture)」と名付けた。建設の目的は科学者や芸術家、エンジニアといった人々に対して才能を発揮できる最先端の環境と、宗教や政府による規制に縛られない自由を与えることで今までに無かった成果を出してもらうというものだった。そのため、「ラプチャー」は冷戦時代の科学者らの逃げ場であり、自由気ままな生活を送れる場"ユートピア・シティ"でもあった。
科学者の中には遺伝子工学を研究する者もおり、中でもブリジット・テネンバウムという女性科学者がウミウシの一種から「アダム(Adam)」という、人間の能力を飛躍的に変化させる物質を抽出することに成功する。しかし、「アダム」に関する研究競争によって主な二つのグループ間で武力さえも行使する抗争が勃発。遂にはそれぞれのチームが「アダム」によって自らの体を改造するようになる。だが、過度な人体改造の副作用でほとんどの人々は人間としての精神を失うこととなり、最終的に「ラプチャー」はかつて人間だったモンスターが生き延びるための殺し合いを繰り返す場所と化し、荒廃した都市は至る箇所で漏水や水圧による破損が広がり、全体が陥没するのも時間の問題となっていた。
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