東京発 「デザイン&ものづくり」 マガジン » Archive » Chim↑Pom:我が道をゆく6人のアートソルジャー
笑いながらピンクのゲロを吐き続けるChim↑Pomのエリイ。映像作品「ERIGERO」2005 DVD ©2005 Chim↑Pom(写真提供:無人島プロダクション)
可愛い女の子がピンクのゲロを吐き続けたり、「オレオレ詐欺」を装って他人の口座にお金を振り込んだり…。そんな誰もやったことない面白いことをしてしまうのは、2005年に結成された6人組のアーティスト集団、Chim↑Pom(チンポム)。今回のPingMagでは、より多くの人に彼らの存在を伝えるべく、Chim↑Pomの皆さんにお話を伺ってきました!
作:アヤナ
まずは皆さんの自己紹介をお願いします。
稲岡:稲岡です。石膏を作ったり壁を建てたりします。
水野:水野です。今年はもっと嫌なことやりますので宜しくお願いします。
岡田:岡田です。特に決まった役割はないですが、こそこそやっています。
林:林です。色々な雑用をやっています。
エリイ:エリイです。リーダーです。ウソです。普段はブログを書いています。
卯城:卯城です。リーダー以外に例えるとキャプテンです。
Chim↑Pomはどのような活動をしているグループなのですか?
エリイ:一般の人が見られない素晴らしい世界を見せています。
皆さんは、現代美術家の会田誠さんの元にいらっしゃったそうですが、Chim↑Pomとして活動し始めたきっかけは何でしたか?
卯城:エリイちゃんが明るくて可愛かったから。元々みんな友達で、エリイちゃんで何か面白いことをして、それがアート作品であってもいいなと思ったんです。
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では早速、作品のお話をお聞きしたいと思います。まずは、ドブネズミを剥製にしてピカチュウを作った「スーパー☆ラット」についてお願いします。
卯城:きっかけは、センター街にいるネズミとピカチュウの着ぐるみで歩いているギャルを見て「同じネズミだ!」と思ったことです。調べると、最近のネズミは毒薬の抗体を持っていて、それが子供にも遺伝するらしいんです。このネズミのことを駆除業界では「スーパーラット」と呼ぶので、それをそのまま展覧会名にしました。人間のせいで発達したネズミが、人間が殺そうとしても人間社会に生き残ろうとしている部分がとても興味深く、それがセンター街やギャルにもぴったり当てはまると思ったんです。
ネズミはなぜこのポーズを?
エリイ:漫画に出てくるピカチュウのポーズを忠実に再現しただけなんです。しっぽに針金を入れて、私がギザギザに曲げました。
ちなみにどうやってネズミを捕まえたんですか?
水野:ネズミ捕りでは大きいのが捕まえられず、ラーメン屋のおじさんが棒でゴミ袋を突いているのを見て、網で試したら、釣り堀のように次々に捕まりました。とにかく簡単に捕れるから楽しかった。20分位で5、6匹捕まえられるようになって、駐車場代も超安く済みました(笑)。面白かったのは、場所を移動しようとしたら、キャッチのお兄さんに「だめだめ、移動してもいいことないよ」とオンナとネズミの捕まえ方を重ねてアドバイスしてもらったことです(笑)。
渋谷でネズミを捕獲するメンバー。「SUPER RAT」2006 DVD©2006 Chim↑Pom(写真提供:無人島プロダクション)
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面白いエピソードが沢山ありそうですね(笑)。では「アイムボカン」はいかがですか?
エリイ:私が中学生の時に、地雷源を歩いてるダイアナ妃をテレビで見て憧れたんです。その後、卯城君と林君に私の夢を聞かれた時に「地雷撤去」と答えたら、本当にやることになり一ヶ月位カンボジアに行ってきました。
「アイムボカン」より、「SPEECH」2007 DVD © 2007 Chim↑Pom(写真提供:無人島プロダクション)
一緒に私物を爆破させたのは、どうしてですか?
卯城:地雷で爆破された日本の物を見ることなんてないので、自分の物を飛ばそうと考えました。
「アイムボカン」より、「ばくはつ」2007 DVD ©2007 Chim↑Pom(写真提供:無人島プロダクション)
先日行ったオークションに関してはいかがですか?値を上げるのではなく、下げる方式でオークションを行って、売り上げはカンボジアへ寄付する予定と伺っていますが。
卯城:アートバブルに関連づけて、初めに自分達の作品をダミアン・ハーストのダイヤのドクロの126億円や、村上隆さんの「Miss Ko2」の落札価格に設定して、どんどん価格を下げていきました。
林:いとうせいこうさんがオークショニアーで、「126億円あったら義足がいくつ作れるか」と話しながら行ったんです。どんどん価格が下がって、これじゃ寄付もできない…と思っていたら、そのうち手を挙げる人が増えて、盛り上がりました。会場全員で値段を決めたという感じでしたね。
エリイ:コレクターじゃないサラリーマンの人が一番初めに手を挙げてくれたのが嬉しかった。オークションは「アイムボカン」の一環です。
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最新作の「Black of Death」についてもお聞かせ下さい。
卯城:スーパーラットでお世話になった剥製士さんに、カラスの剥製を置くとカラスが集まると聞いたので、ラフォーレでの展示の時に上空でカラス集められないかと始めたら、本当に沢山集まったんですよ!
代々木公園から、稲岡君のバイクに剥製を持ったエリイちゃんを乗せて拡声器でカラスの声を流しながら、前に車を走らせて撮影しました。ゴミの出る朝5時ぐらいに渋谷方面に行くと、109の上空が凄いことになりました。
すごい!エリイさん、怖くなかったですか?
エリイ:全然!カラスは襲わないから。この作品は、実験段階なのでまだまだ続きます。
卯城:「Black of Death」というタイトルだし、暴力団の会長の葬儀とか、もうすぐ死にそうな悪い人達の上空とか、色々な所でカラスを集めたいですね。
水野:死なない物はないからね。
確かに!そのようなアイディアはいつもすぐ浮んでくるのですか?
卯城:そうですね。基本的にアイディアマンだから常にストックはあります。それを形にする時、アートの文脈ではなく、俺達がやりたいことを良いテンションでできるかどうかを重要視しています。例えばカンボジアを訪れたのもエリイちゃんの夢を叶えるというシンプルなモチベーションでやってるんです。
すごく伝わってきます。実際の場所へ出向いて作品を制作する方法を通して何を発見しましたか?
エリイ:実際やってみて分かることが多くて、外に出て初めて目にするものもあります。
卯城:単純に楽しいです。行動しているうちに、偶然や奇跡がフィードバックになってモチベーションを上げますね。
水野:分からないことを調べていくと、必ずその道のカリスマに出会う。しかもみんな似たオーラを持ってるんです(笑)。
その出会いがアイディアに繋がるんですね!では最後に、作品を見る人々に伝えたいことを教えてください。
卯城:俺達はやりたいことをやっているから、そんな人がもっと増えてほしいですね。
エリイ:あのね、Chim↑Pom大好き、エリイちゃん可愛いってこと!
きっと多くの人がそう思うでしょう!これからどんな作品を見せてくれるのか楽しみです。Chim↑Pomの皆さん、今日はありがとうございました!
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